<Let'snoteのBIOS書き換え実験>
ヤフオクで、BIOSロックが掛かっているノートパソコンLet's Note (CF-S9その他)を、よく見かけます。
ジャンクとして出品しているので、かなり安いようです。
この、BIOSロックを調べるため、以前入手したLet's Note CF-N9(BIOS ROM破損)のケース部分と
別途CF-S9のマザーボードを使って、組み立て直しました。
BIOSとwindows7の起動を確認
BIOSロック(セキュリティの中のスーパーバイザーパスワード設定をする)
再起動すると、パスワード入力を求められ、入力しないとwindowsも起動しない F2を押してBIOSを起動させる時もパスワード入力を求められ、入力しないとBIOSも起動しない
以上のようにBIOSロックをかけると、パスワードを入力しないと何も出来ない。
このBIOSロック(BIOSデータ)は、基板に搭載されている25Q64BVSIGに書き込まれている。
25Q64BVSIGピン配置
そこで、次のような実験をしました。
@まずBIOSロックをかけてない状態でのBIOS ROMのデータを読み込んで保存する。
A次にBIOSロックをかけておいて、先ほどのBIOSロックをかけてないときのBIOS ROMのデータを書き込む。
Bパスワードなしで起動出来るか、確認する。
*念のため、ACアダプター、バッテリー、内臓コイン電池は外す。
<読み書きに必要なもの>
BIOS ROM ライター SOIC8テストクリップ
@まずBIOSロックをかけてないときのBIOS ROMのデータを読み込んで保存する。
BIOS ROM ライターをPCに接続して、まずCH341Aを実行する(BIOS ROMを掴まないで)
ソフトが正常に起動していると、右下Device state:接続中が表示
このまま、左上の検出(D)ボタンを押す
BIOS ROMのピンを掴んでいないのでUnknownとなる(赤枠のUnknown)
BIOS ROMのピンを掴む(ピン番号を確認してクリップの方向も確認する)
左上の検出(D)ボタンを押す
赤枠のUnknownから正しいデータに変わっているのを確認(まだUnknownならピンを掴み直して何度も行う)
次に読み込みボタンを押す(読み込んだ後、ベリファイしてOKを確認する)
ファイルボタンを押して、ファイル名を付けて保存する
(BIOSロックをかけてない時のBIOS ROMデータを保存する)
A次にBIOSロックをかけておいて、先ほどのBIOSロックをかけてないときのBIOS ROMのデータを書き込む。
一旦クリップをはずして、BIOSを起動しスーパーバイザーパスワード設定をする。
これで、パスワード入力が求められ、BIOSロック状態になりました。
次に、BIOSロックをかけてない時のBIOS ROMデータを書き込みます。
BIOSロックをかけてない時のBIOS ROMデータを読み込む
自動ボタンを押します(エラーが出ても再度自動ボタンを押す、数回エラーが出るときもある)
自動でベリファイされて、正常に書き込み終了
Bパスワードなしで起動出来るか、確認する。
電源を入れて、パスワードなしでBIOSとwindowsの起動を確認。無事パスワード入力は求められませんでした。
<確認のためもう一度やってみます>
スーパーバイザーパスワード設定をする。 再起動します。パスワードロックが掛かっています。
パスワードを掛けていないxxx.binファイルを書き込む。
書き込み完了
電源ON直後の画面。指示通りF2を押す
BIOS設定画面になる(日付など変更する)
BIOS設定を終了すると、パスワード入力求められずwindowsが起動して成功しました
※1.Let's note は、CF-S9、CF-N9、その他シリーズがあります。そこで、次のようなことをして見ました。
CF-S9、CF-N9を所有していますので、CF-S9にCF-N9のBIOSデータファイル(CF-N9.bin)を書き込んで見ました。
結果、電源ランプは点灯しますが起動しませんでした。
書き込んだBIOSデータファイルの内容が、ハードチェックで差異を検出して起動しなかったと思われます。
(同じシリーズのBIOSデータファイルなら大丈夫なのか?)
※2.機会があれば、パスワードロックの掛かったジャンク品を入手して、手持ちのBIOSデータファイルを書き込んで
どうなるか検証して見たいと思います。
パスワードロックの掛かったジャンク品が入手出来ましたので、上の※2をやってみたいと思います。
入手したCF-N9のジャンク品で、パスワードロックが掛かってます
BIOS ROMにパスワードロックの掛かっていないCF-N9のBIOSデータファイルを書き込みますが
まず、分解してマザーボードを見えるようにします。
1.スライドを動かして、バッテリーを外します。
2.3箇所のシールを剥がして、金属の止め金を外します。 3箇所を指で押して、キーボードを浮かす
3.キーボードを浮かしながらヘラでこじます ステン定規を差し込んでキーボードを剥がす
4.シールを剥がして、ビスを外します。
5.ネジ4本外します ネジ2本外します
6.ヘラでこじて取り外す ネジ6本外します
7.ネジ2本外します ネジ6本外します
8.シールを剥がしてキーボードケーブルを外す クリーム色ストッパーを手前に引く
9.スピーカケーブルを外す
10.分解後の電源入れて確認 パスワード入力画面(分解に問題なし)
11.パスワードロックが掛かっていないBIOSデーターを書き込みます。
成功しました。windowsも起動しましたが、うん・・・品番(CF-N9LW****)がこのジャンク品のものではない。
この品番は、書き換えたBIOSのものです。
12.本来の品番にするため、バイナリーエディターを使ってBIOSデーターを修正して書き込みました。
もともとの品番(CF-N9JW****)になりました
<番外編>
上記は、別途用意したSSDでしたが、このジャンク品の内臓HDDをセットして電源ONすると
画像のようなメッセージが出ました。
どうも、HDDにパスワードが掛けられているようです。
このパスワードは強力で、いろいろ試しましたが、外すことは出来ませんでした。
別PCに接続しても認識しませんので、フォーマットも出来ません。従って再利用出来ません。